手汗の新しい薬、アポハイドローション(保険適用)
- 2023年7月1日
- 保険診療
日本初の保険適用の原発性手掌多汗症治療薬として、6月に「アポハイドローション20%」が発売されました。
1本は、1週間分の分量になります。(1回5プッシュ使用)
3割負担の患者さまで1本あたり707.4円(薬剤費のみ)となります。
新医薬品については、「1年間は14日分を限度として投与すること」とされていますので、1回の診察につき2本の処方となります。
※対象年齢は12歳以上
■「アポハイドローション20%」とは?
「手掌多汗症」の治療薬として保険適用を持つ塗り薬です。このたび久光製薬株式会社より発売された新薬となります。
手のひらの皮膚から吸収されて、皮膚の下にある交感神経から出される発汗を促す物質(アセチルコリン)をブロックすることで過剰な発汗を抑えます。
■原発性手掌多汗症とは?
日常生活をする上で、さまざまな困りごとをもたらすほど手のひらから汗が出る症状を「手掌多汗症」といいます。
手掌多汗症は、手のひらにたくさん汗をかき、日常生活に大きく影響を及ぼします。
たくさんの汗が出ますが、汗腺の数、分布、形は人による違いはありません。手のひらは、緊張や集中といった精神活動が交感神経に伝わることで発汗を起こします。
手の多汗症症状が6か月以上続き、以下の6症状のうち2項目以上当てはまる場合は、原発性手掌多汗症と診断されます。
1.最初に手の多汗症がでたのが25歳以下
2.左右の手のひらに汗をかく
3.睡眠中は発汗が止まっている
4.1週間に1回以上、手の多汗症がみられる
5.家族に同じ症状の方がいる
6.手汗のために日常生活に支障をきたしている
2009年に行われた日本の調査で、原発性手掌多汗症を発症している患者さんは、19人に1人いると報告されています。
気になる手の汗は、お気軽にご相談下さい。
■使用方法
一日一回就寝前に、手の平に塗ってください。
お薬を塗った後は、起床時まで手を洗わないでください。
・塗り忘れた場合は、次の就寝前のタイミングで塗布するようにしてください。
・起床後の手洗いは、特に石鹸で洗う必要はございません。コンタクトレンズの装脱着の際は、本剤使用前又は手洗い後に実施するようにしてください。
・塗布後に手を洗った場合は再投与せず、次回の就寝前のタイミングで塗布してください。
・塗った後、気密性の高い手袋などで覆わないでください。
・塗布後は、必要以上に他の人やものに触れないでください。万が一、目に入った場合は、すぐに洗い流してください。
■ 主な副作用
・塗ったところに炎症やかゆみ、湿疹などの皮膚の異常がみられる
・口が渇く
・何日も便秘が続き、お腹が張って苦しく感じる
・尿がでにくい、でない
以上の症状があらわれた場合には、お薬の使用を中止し、ご相談下さい。
手汗の悩みは本人でなければわからなく、深刻にお悩みの方も多いです。
勉強やお仕事の妨げになったり、日常生活に支障が出る方も多くいらっしゃいます。
保険適用ですので、お悩みがございましたらお気軽にご相談下さいませ。
TEL番号 03-6432-5656
——————————————————————————————
■五良会クリニック白金高輪
●1F 内科・小児科・内視鏡内科・消化器内科・代謝内科
TEL番号 03-6432-5353
FAX番号 03-6432-5352
●2F 美容皮膚科・美容外科・皮膚科・小児皮膚科・形成外科
TEL番号 03-6432-5656
FAX番号 03-6432-5657